「DOWN ON BOURBON STREET」(NOLA LP 16)
LEE ALLEN AND HIS BAND
きーっ、かっこええっ! さすがである。さすがの貫禄、さすがの技術、さすがのブルースフィーリング、そしてさすがのホンキングである。どの曲を聴いても、リー・アレンの、ほかのブロウテナーが足下にもおよばない演奏能力の高さを感じる。そして、盛り上げ方も堂に入ったもので、ぜったいにツボを外さない的確な攻撃をみせるが、その合間に示すフレージングはジャズテナーの王道を行くものだ。意外にもバップっぽいフレーズも駆使するが、なにを吹いても、すばらしい音色とリズム、アーティキュレイションがあるので、聴いていて違和感はまったくない。また、バラードは徹底的に泣かせまくる。嫌らしいまでのサブトーンで朗々と歌いあげ、ブルースシーンではよく知られた名手だが、ジャズシーンでも大活躍できたのになあ、と思ったりする。たいへんな音楽性の持ち主なのだが、その片鱗がこのアルバムで十分わかる。白人のストリッパーが踊っている横でリー・アレンがテナーを吹いているジャケットもチープで最高。あのヒット曲「ウォーキン・ウィズ・ミスター・リー」も入ってます。
「WALKIN’ WITH MR.LEE」(COLLECTABLES COL−5083)
LEE ALLEN AND HIS BAND
上記と内容はほぼ同じだが、2曲ほど収録曲が少ない。ジャケットも、ストリップとは大違いで、歩きながらテナーをブロウするリー・アレンの後ろからこどもたちがついてくる、というニューオリンズのセカンドライン的な、なんともかわいい感じ。どちらか一枚持っていればいいわけだが、ジャケットにつられて両方買ってしまいました。