「ERIC BARRET/ALDO ROMANO/HENRI TEXIER」(CARLYNE MUSIC CAR013)
BARRET/ROMANO/TEXIER
このアルバム、めっちゃ好きなんですねー。テナー〜ベース〜ドラムというシンプルな編成で、しかもテナーとバスクラのひと(リーダー?)はまるで知らない名前。ようこんなレコード買うたなあ。ベースとドラムの名前をみて、まあ安心とおもったのかもしれない。最初は、なんやこれ、とおもった。こっちは勝手に、ピアノレストリオでテナーとバスクラを吹きまくるような激烈な演奏を思い描いていたが、なんだか地味でフツーである。どちらかというと丁寧で、すみずみまで注意が行き届いた演奏だ。ふだんはどちらかというと、大雑把でおおづかみな音楽を聴いているので、たまにこういうのを聴くと、あれっ?となるが、聴けば聴くほど美味しいスルメのような演奏だ。まあ考えてみれば、リズムがアンリ・テキシェとアルド・ロマーノなのだからそうなるのも当然だが、このサックスのひとがじつにいいプレイをする。楽器コントロールは完璧だが、リズムセクションに対して、こう吹けばこういう反応があるだろうということを予期したうえでそれを音楽的に働きかけ、じつに複雑なコミュニケーションをいともやすやすとこなしている。そんなことジャズなんだからあたりまえやんかとおもうかもしれないが、これだけのレベルでできている演奏はなかなかないですよ。曲もいいし、スウィング感も満載だし、ピアノがいないのを忘れてしまうような、空間が全部、正しい音で埋まっているような、そんな演奏です。