robert barry

「DUETS 2001」(THRILL JOCKEY THRILL101)
ROBERT BARRY AND FRED ANDERSON

 このアルバムこそ、私をフレッド・アンダーソンの熱狂的なファンにした作品だが、裏を返せば、本作を聴くまで私はフレッド・アンダーソンを聴いたことがなかったわけで、ああ、取り返しのつかぬことをした、今から心を入れ替えて、このひとのアルバムをひたすら聴きまくるようにいたします、と誓ったのであった。で、そのあとフレッド・アンダーソンのアルバムをいろいろ聴いてみてわかったのだが、このひとはある意味ワンパターンであって、どんな演奏でも、フレッド・アンダーソン・フレーズともいうべきフレーズを連発するのである。こういう演奏がはたして「フリー」ジャズといえるのか、という問題もあるが、はっきり言って、なんとも「自由」な演奏であると思う。その精神はひしひしと伝わってくる。そして、さまざまな作品を聴いたあと、このドラムとのデュオ作品がもっともフレッド・アンダーソンの「全部」を伝えているということがわかった。何度聴いても、しみじみ名盤だと思う。個人的にはフレッド・アンダーソンの項に入れたいところなのだが、やはり先に名前のでているロバート・バリーの項に入れるのが筋だろう。