「INFANT EYES」(MUSIC CENTER BA118CD)
ARRIGO CAPPELLETTI GIULIO MARTINO
アリゴ・カペレッティ(と読むのか)という全然知らんピアノとジウリオ・マルティーノ(と読むのか)という全然知らんテナー奏者のデュオだが、アルバムタイトルにもなっている「インファント・アイズ」をはじめ、「フィー・ファイ・フォー・フューム」「ブラック・ナイル」「スピーク・ノー・イヴル」……といったショーターの曲ばかりを八曲並べたアルバム。思い切って買ってみたら大当たり。ショーターの曲といっても、たまたまふたりで「ショーターの曲をやってみようか」みたいなノリでセッションしました、ということではなく、どの曲にも原曲をひとひねり、ふたひねりしたアレンジが加えられていて、ミディアムテンポの曲をバラードにしたり、と、デュオでやるための準備をしっかりして、練習もしてきたグループエキスプレッションであることがわかる。テナーのひとは私好みで、音もいいし、適度にアグレッシヴで、イタリアのジャズシーンの深さを感じる(といっても、私が知らないだけできっとめちゃ有名なんだろうな)。ピアノのひともうまい。ショーター好きにはたまらんアルバムだが、そうでないひとにもおすすめできる。しかし、とにかくショーターの曲だけでデュオを一枚まるまるやってしまうセンスというか気概がいいじゃありませんか。日本でもこういう試みはライヴの場ではよく行われていると思うが、こうしてアルバム化してこそのアピールだからなあ……。ショーター曲集ということでテナーのひとのところに入れようかと思ったが、ピアノのひとの名前が先に書いてあるので、そちらの項目にいれた(もしかしたらこのピアノのひとはめっちゃ有名なのか……?)