「100% COTTON」(BUDDAH RECORDS PLP−7001)
JAMES COTTON
最初、「ワントゥースリーフォー、トゥートゥースリーフォー」のカウントと「キェーッ」という掛け声ではじまる一曲目のブギーを聴いたとき、あー、かっこいい、と素直に思った。二曲目は完璧にファンクですね、ベースもホーンセクション(サックスだけだが)もアース・ウィンド・アンド・ファイアーみたい。3曲目にいたって、ようやく普通(シャッフル系)のモダンブルースになる。この選曲面での畳みかけ方が気持ちいい。どうやら、このアルバムが出た当時は、ロックとブルースは結びついていたが、16とかファンクリズムとブルースというのはまだなかったらしい。それを演ったのがコットンバンドだというが、そういう理解でよろしいですか、ブルースファンの皆さん。私が、すっと入っていけたのも、リズムが今風である、ということだったようだが、考えてみれば、生のブルースのライヴではこの程度のファンクっぽさはざらにあるわけで、それなのに今聴いてもかっこよく響くというのは、単にリズムの新しさだけを追った演奏というのではなく、底流をしっかりとしたブルースの大地が支えているからで、コットンは後年、シカゴブルース的な演奏に戻ってしまい、なおかつ、病気で声を失って、ハープだけしか演奏できなくなってしまった。そうしたコットンが、シカゴブルースの枠組みから一歩抜け出して、モダンブルースをリードしはじめた瞬間の、ぎらぎらしたノリが感じられる一枚。ちなみに、本作よりも有名かもしれない同時期のライヴ盤「ライヴ・アンド・オン・ザ・ムーヴ」もすごくよかったが、私にとっての衝撃度からいくと、最初に聴いたこっちですね(といっても、聴いたのは学生時代で、発表されたときよりは相当あとだが)。マット・マーフィーも最高ですね。