robert cray

「WHO’S BEEN TALKIN’」(CHARLY CRB1140)
THE ROBERT CRAY BAND

 ロバート・クレイも一時期はまった。ジョン・リー・フッカーと一緒に来日したときに聴きにいったのがきっかけで、そのときまでまったく名前は知らなかったし、ブルースの救世主的扱いを受けていることも知らなかった。とにかく、かっこいい曲をやるひとだなあ、と思い、そのライヴでやった曲が入っているアルバムを探したのだが、当時、このアルバム(たしか原盤はトマトかどこかだったと思う)は廃盤で、「バッド・インフルエンス」を買ったら、それが当たりで、めちゃめちゃ聞き込むことになったのだ。そのすぐあとに、このアルバムがチャーリーから再発されて、もちろん購入した。「トゥー・メニー・クックス」(マイナーブルース?)とか、すごくいいけど、やっぱり「バッド・インフルエンス」のほうが好きかなあ。でも、本作も相当いいですよ。声がいいですよね。表題曲は、ウルフのバージョンに比べてあまりに普通なのでびっくりしたけど。

「BAD INFLUENCE」(HIGHTONE RECORDS HT8001)
THE ROBERT CRAY BAND

 上でも書いたが、音楽との出会いというのは偶然の積み重なりによって起こるもので、ロバート・クレイもなんの知識も関心もなかったのだが、ジョン・リー・フッカーのライヴの前座(?)で出ていたのを聴いて、はまったのである。そのときにすぐに買ったのが本作で、一曲目の「フォーン・ブース」がとにかくかっこいい。アルバート・キングの曲だというのを知らず、ずっとロバート・クレイの曲だと思っていた。「ガット・トゥ・メイク・ア・カンバック」とか「ソー・メニー・ウーマン・ソー・リトル・タイム」も好きだ。当時の評論家は、ロバート・クレイの特色を、モダンブルースとソウルの融合、みたいなことを言っていたと思うが、今聴いてもそのとおりだと思う。シンプルなバンドもいいし、ペキペキ鳴るギターも「フーズ・ビーン・トーキン」のころよりずっと存在感がある(まあ、五年もたっているから当然か)。このあと、いろいろメジャーなヒットを飛ばすことになるクレイだが、そのころにはほとんど関心がなくなっており、そういうアルバムは試聴コーナーでちらっと聴いた程度。私にとってのロバート・クレイはこれ一枚です。