「CHICAGO OVERTONES」(HAT HUT RECORDS HATOLOGY 613)
DANIELE D’AGARO
DANIELE D’AGAROという、これも知らない人なのだが、ドイツで活躍しているテナー奏者らしい。ヴァンダーマークやフレッド・アンダーソンなんかと一緒にやっているジェブ・ビショップ、ケント・ケスラー、ロバート・バリーといったシカゴのメンバーとの共演である。おそらくこのテナー奏者が単身シカゴへ乗り込んでの録音なのだろう。意欲作で、ほとんどを自作曲でかため、あとはエリントンの曲を二曲、レッドベリーの古いブルース、カーティス・クラークの曲などをやっている。フリージャズといえばフリージャズなのだが、なんだかハードバップに聞こえる。それはおそらくかっちりした曲のためと、なんでもできるジェブ・ビショップのトロンボーンがうますぎるためだが、そもそも主人公であるこのテナー奏者がそれほどフリーなタイプではないのだろう。もちろん悪くないけど、私の好みとはちょっとはずれているかも。逆に、ちゃんとしたジャズが好きなひとにはおすすめかも。