patrick favre

「MOUVEMENT」(BLUE REGARD CT1952)
PATRICK FAVRE/PERRY ROBINSON

 いやー、ペリー・ロビンソンは、古いESP盤しか知らなかったが、こんな凄いひとだったとは! 本作はピアノとのデュオで、たぶんピアノのひとのリーダーシップのもとに吹き込まれているのだと思うが、ずっと耳はペリーのクラリネットを追いかけている。それぐらい静かなインパクトのあるクラリネットである。ちょっとドン・バイロン的というか、クラシカルな部分も感じる、ときに内省的で、ときに攻撃的なソロだが、音色といい、楽器のコントロールといい、しっかりしたプロフェッショナルな木管楽器のマスターであることを感じさせる。中音〜高音はソプラノサックス的な力強さもあるが、なによりも思うのは、微妙な強弱、イントネーションなどに心を配ったすばらしい表現力で、これはえええわ! いつまででも聞いていたようなデュオである。知らなかった、というか気づいていなかったのだが、リベレイション・ミュージック・オーケストラや「エスカレーター・オーバー・ザ・ヒル」などにも参加しているんだなあ。いろいろ探して聴いてみようっと。……とペリーのことばかり書いたが、一応ピアノのひとの項目に入れた。ライナーが英語じゃないので、なにが書いてあるのかさっぱりわからん。