「照葉樹林」(MOBYS RECORDS MOBYS0001)
YOSHIAKI FUJIKAWA AND EASTASIA ORCHESTRA
傑作です。はじめて聴いたときは鳥肌がたった。豪華なメンバーだが、人数がラッパ2、ボントロ2、サックス4とあまり大きくない編成であることも、コンボ的な機動性とビッグバンドの迫力を併せ持てる状態にしていると思う。これ以上ひとりでも増えたら図体がでかくなりすぎるというぎりぎりの人数なのだ。びしびし決まるリフと、凄まじいソロ。フリーなソロが全体を高め、リフがソロをあおる。フリージャズのビッグバンドというのは、ジャズコンポーザーズオーケストラやグローブ・ユニティ以来の課題として、人数が多くなる→キメ事が多くなりフリー(自由)ではなくなる……という危険があり、ビッグバンド化するのは諸刃の剣である。逆に、大勢に自由を与えすぎると、混沌として収拾がつかなくなったり、たがいに様子を見すぎて爆発しなかったり、といろいろ問題がある。やはり、キメキメの部分はキメキメに、自由な部分は思いっきり自由に……というメリハリが大事なのだろうが、どちらかに偏ってなかなかうまくはいかないものだ。本作は、それが成功した稀有な例だと思う。豪華なメンバーのなかでもサックスセクションの豪華さは特筆すべきで、リーダー藤川義明のアルト、ソプラノはもちろんすばらしいし、井上敬三、片山広明、広瀬淳二……と錚々たる猛者たちが顔をそろえ、しのぎをけずっている。私は広瀬さんがとくに好きなので満足です。CD化されているのかどうかはしらないが、もし見つけたらぜひ聴いてほしい一枚。いまもまったくサウンドは古びていません。
「ORIGIN」(MOBYS RECORDS MOBYS0002)
YOSHIAKI FUJIKAWA AND EASTASIA ORCHESTRA
「照葉樹林」があまりに傑作だったので、二枚目である本作はめちゃめちゃ期待した。そういう意味でハードルをこっちが勝手に上げすぎたのか、いまいちぼんやりとした印象のアルバムだ。メンバーも一枚目とは半分ぐらい入れ替わり(ラッパ、ボントロはそのまま)、サックスから井上敬三、広瀬淳二が抜け、林栄一、梅津和時、高野正幹(一曲だけ)、清水末寿らが加わっている。また、ドラムが豊住さんから藤井信雄になっている。そういうメンバーチェンジのせいかどうかはわからないが、どうも一枚目に比べると印象が薄い。これが出た当時も、結局、一枚目ばっかり聴いていたような記憶がある。今回久々に聴き直してみると、なるほどおもろい箇所も多く、そんなに悪くはないのだが、要するに一作目が良すぎたのでどうしても聴きおとりする、ということなのだろう。こっちを先に聴いていたら、きっと気に入っていたはずだ。あと、(私にとって)肝心のテナーが片山さんはともかく、清水末寿、高野正幹というどちらかというとフリーではなく主流派のひとになっている点もピンとこなかったのだろう(と今になって分析してみる)。本作最大の目玉はなんといっても中村とうようによるライナーノートで、めちゃめちゃ過激である。あのトシコ・タバキン・オーケストラをつまらない失敗とばっさり斬り捨て、サラリーマン化したジャズミュージシャンを軒並み斬りまくり、もうその勢いはとまらない。腹が立つ部分もないことはないのだが、寺島靖国などに比べるとはるかにちゃんとしたことを言ってる(というか、中村とうように言わせると、寺島的な「ジャズ」はすべてけちょんけちょんである)。こういうひとにもっと吠えてもらわなくては、ジャズはよくならんやろ。
「YOU GOT TO FREEDOM」(ALM−URANOLA UR−1)
F・M・T
これは宝物のようなアルバムだ。学生時代に中古で買ったのだが、そのあとあまりに聴きすぎて、スクラッチノイズがひどい状態になってしまった。でも、まだまだ聴きつづけている。どうして宝物かというと、それまで私は、ドルフィーとかコルトレーンとかシェップとかセシル・テイラーとか……とにかくしかめっ面で真面目に聞かなくてはならない演奏ばかりを好んでおり、フリージャズにもユーモアがあるということがわかっていなかった。もちろん生活向上委員会大管弦楽団のように、最初からユーモアを志向したグループはべつだが、基本的にフリージャズはシリアスなものだと思っていた。それが、このアルバムを聴いて、藤川義明、翠川敬基、豊住芳三郎という3人が作り出す世界があまりに自由で、あまりにすがすがしいまでに明るく、あまりに楽しくほがらかで、ユーモアがあることに驚いたのだった。そうか、フリージャズも楽しいものなんだなあ、と目からウロコが落ち、そのあと、いろいろなフリージャズのなかにも、それまでは気づかなかったユーモアやギャグが溢れていることに気づいたのだ。たとえばアート・アンサンブルなどにはブラックジョークの精神があるし、坂田さんの音楽を理解するには、ギャグとかユーモアのセンスが必要だ。ひたすら真面目に聞いているだけではわからないのである。というわけで、このアルバムは、もちろん真面目に聞いてもすごいのだが、「楽しいジャズ」として聴いてもすごくて、こういう軽い(本当は軽くなくて、逆に重いのだが、聴いた手触りとして)ポップなフリージャズが存在すると私に教えてくれた一枚なのである。収められているのはめちゃめちゃ充実した演奏ばかりで、三人のだれにとっても代表作といえるような最高のアルバムだとおもう。3人対等のアルバムだと思うが、いちばん先に名前の出ている藤川の項にいれておく。
「三月宣言+5」(SUPER FUJI DISKS FJSP185/186)
藤川義明&イースタシア・オーケストラ
どうして今頃になって、こんな音源が、それも立て続けに三作品も出てくるのかはかなり不思議だ。今、藤川義明ブームなのか? だいたい「三月宣言+5」というタイトルもよくわからん。イースタシア・オーケストラの一枚目は「照葉樹林」で二枚目は「オリジン」で、2003年に突然ベルリンのライヴがCD化されて(同時期のメールスの演奏は今回の「オリジン」にも入ってる)……というのは知ってるが、「三月宣言」というアルバムは聞いたことがない。どういうこっちゃ。そのアルバムに別テイクが五曲入っているということか……? よくわからんままにとりあえず購入してみると、そういう意味ではなく、このバンドが最初に誕生したデビューコンサートのタイトルが「三月宣言」であり、そのときの音源にいろいろな時期・場所での音源を五曲足した、ということらしい。まぎらわしいねん! というわけで聴いてみると、録音は悪くなく、各楽器のニュアンスや色気もちゃんと伝わってくるし、迫力も伴っていて問題ない。正直、どのソロがだれなのかはっきりとはわからない(わかるものも多いが、わからんものはわからん)。2枚組だが、1枚目の1曲目はいかにもフリージャズといった感じの不穏なサウンドをバックにソプラノサックスがはじめは緩やかにソロをはじめる。それかベースとのデュオっぽくなっていき(ほかの楽器も鳴ってはいるのだが)、ドラムが加わり、ソプラノが退いて豪放なトロンボーンが前面に出てくる。激しいトロンボーンの演奏が終わるとともにほかの楽器も一旦消え、トロンボーンのフレーズを合図に全員でスパニッシュ風のテーマがはじまる。かなり長めの、二段構え、三段構えになったアンサンブルを経て、サックスソロに。やたらと高音部を強調するクセの強い、かっこいいソロ。リフが入って、トランペットの八方破れの過激なソロ。押せ押せ風の、勢いのあるソロ。リズムセクションが消えて、2トランペットのデュオになる。バックが入って、またトランペットソロ(たぶん最初と同じひと?)。アンサンブルが入って、そのあとドラムのフリースタイルのソロになる(パーカッションも参加?)。かなり長尺のソロだが、途中でアルトが加わり、ドラム・パーカッション+アルトによる演奏になる。アルトは時折フラジオでぎょえーっと吹きまくるのが心地よい。この曲の白眉か。だんだんぐちゃぐちゃになっていき、リズムが消えて、アルトのソロブロウからテーマアンサンブルに。こういうダイナミクスの露骨な付け方がこのバンドはいいよねー。トロンボーンソロになり、一曲のあいだにどんだけソロイスト出てくるねん、と思っていると、アンサンブルが入って、まだまだ行きまっせ、というわけでテナーソロ(片山さん)が飛び出してくる。暴走しまくる豪放なソロで、この時点ですでに30分以上過ぎている。やるほうもたいへんだが聞くほうも体力いるでー。フリークトーンで絶叫して大暴れするバックで新しいリフが入ってくる。それか混沌としてからしつこく全員でのリフの繰り返しを経てテーマになる。一曲37分。いやはや、さぞかししんどかろう。2曲目は、ベースとチェロ、ドラムによるインプロヴィゼイションではじまり、リズミカルなリフとドラムの掛け合いのあと、カリプソ風の明るいテーマ。しかし、テーマだけでカリプソは終わり、混沌としたリズムセクションをバックにテナーのアブストラクトかつパワフルなソロ(片山さん?)。ぐちゃぐちゃのソロのあと、また明るい明るいカリプソテーマ。終わるとまた混沌で、べつのサックスソロ。こういう趣向なのかな。明るいテーマ。そしてまたべつのサックス奏者(テナー)。ソロイストがテンポとコード感を保ったままソロをしているので、今度はバックもリズムをある程度キープしているが、やはりぐちゃっとなっていることに変わりはない。めちゃめちゃしっかりしたジャズっぽいソロで、これはいったいだれでしょう?またテーマ。そのあと混沌としたコレクティヴインプロヴィゼイションから、サックスが咆哮しまくるソロに(梅津さん?)。変わったリフが入って、二本同時吹きなども始まり、全体がむちゃくちゃになっていき、またべつのリフ(カリプソは完全に忘れられている)。そのリフから、もはやべつの曲といっていい第二テーマがはじまり(ドラムとの掛け合い風)、シンバルをバックにしたベースソロになる。ドラムが消え、完全にベースの無伴奏ソロになり、これは非常に聞かせる。そのあと壮大なリフが入り、バリトンのバンプをベースにしたサックスだけのアンサンブルになる(ここはすごく面白い)。とてもリズミカルで、手拍子なども入り、すごくかっこいい。そこに激しいリズムが雪崩れ込む。リズミックなテュッティのテーマが入り、これで終わりかと思っていたら、ほんとに唐突に最初のカリプソのテーマでしめくくり。うーん、なんかすごいね。3曲目はトランペットのマーチ風のソロからはじまり、そこに各楽器が加わって行進曲のようなアンサンブルに。一旦終了して、管楽器同士がしゃべりあう(?)ような即興の寸劇(?)みたいなものがはじまり、70年代のアングラ風の展開になる。フルートがリリカルに鳴り響き、主役(?)のトロンボーンがなんだか怒りながらわめきちらし、客席の笑い声もいっぱい起きている。このあたりは実際に見ないとなにがどうなってるのかわからないが(生活向上委員会的?)、まあ、サウンドだけ聞いてもおもしろいといえばおもしろい。パーカッションが活躍し、だんだん盛り上がってきて、トランペットとトロンボーンがののしりあうような感じ。そして、混沌としたなか収束する。テーマも出てこないし、いったいなんやったんやと思っていると、切れ目なく4曲目に突入。マーチのリズムに乗ってテナーはスワニー川を吹いているが、ドラムだけになって、全員で爆発的かつ明朗なテーマ。まあ、ほんまに行進曲ですね。この曲はテーマのみ。楽しいなあ。5曲目はアンコールらしく、サックスがテーマを奏でるバラード風の短い、美しいアンサンブル。これもテーマのみ。延々とパワーミュージックを聴かされたあとでは、耳に優しくていい感じなのだが、1曲目と2曲目がそれぞれ30分前後あって、あとが芝居とテーマのみの演奏というのはバランスとしてはめちゃくちゃ悪い。ここまでがタイトルにある「三月宣言」コンサートの模様である。というわけで2枚目に行きます。2枚目は曲ごとに収録場所はバラバラ。1曲目はテーマのあとトロンボーンが爆発的なソロをしていきなりテンションマックスに。ギターが、刺激的なバッキングをするなあと思ってたら、渡辺賀津美だった。バックが消えてボントロ無伴奏ソロになり、そこにギターがからんでいく展開。つづいてぶっ速いリズムと凶暴なギターに乗ってサックスがタンギングを使った個性的なソロを吹きまくる。ベースがパターンを弾き、当初のテーマに戻る。2曲目はかなり録音悪いが雰囲気はある。混沌とした不穏なオープニングからリフ→ベースとドラムによるパターン提示が延々続き、3分近くしてからやっとマイナーなテーマリフ。この「しつこさ」がフリージャズビッグバンドの特徴か?先発ソロはトロンボーンだが、これも長い。リズムがあるような内容な展開で、延々と吹きまくる。これがめちゃめちゃかっこよくて、録音の悪さもかえって雰囲気を出す手伝いをしているようにも思えるほど。リズムが消えて八方破れの無伴奏ソロになり、そこにベースがからんでいき、こういうあたりが「フリー」である良さでしょうね。トロンボーンが消えてアルトサックス(めちゃうまい)がそれに変わり、ドラムも入ってきて、この場面も延々と続く。アルト奏者の凄さがわかる演奏だが、惜しむらくは録音のせいでいまいち聞き取りにくい。これもまた無伴奏ソロになって、そのあと不気味なテーマが奏でられ、ベースソロ→ベースとチェロのピチカートによるデュオに移行する。このとき、会場の子供がしゃべっている声が聞こえておもしろい。チェロが弓弾きになり、ベースも最終的にはアルコになり、すばらしいクオリティで、この弦楽器デュオの部分はじつに楽しい。ここにトランペットの絶妙なプレイが加わり、このオーケストラがパワーミュージックだけではないということを見せ付けた演奏になった。バックの管楽器が延々と吹き伸ばしのリフ(?)を続けるなか、トランペットが吹きまくるという緊張感のある展開となり、ここもすばらしい。そこからリズムのある第二テーマ(?)が始まり、サックス中心のコレクティヴインプロヴィゼイションに。サックスが延々とブロウするのだが、これも録音のせいで、いまひとつ迫力が伝わらないが、そこは想像力でおぎなおう。そして、ドラムのフィルインから全員でテーマで終わり。この2曲目も35分もあるのだ。やってるほうもしんどいだろうが、聞くほうも……あ、これはさっきも書いた。3曲目は、ピアノに原田依幸、ベースに望月英明が入っている(「原田椅子」的ですね)。その望月の骨太なベースソロから演奏がスタート。たっぷりとベースソロが続いたあと、意外にも「ロンリー・ウーマン」のテーマがアンサンブルで。その間もベースソロはずっと続いているのだ。ああ、これはかっこええわ。そこから飛び出すような感じでテナー(片山さん)の絶叫的なソロがスタート。ねじ曲げねじ伏せ殴り倒し蹴りつけ上からのしかかるようなパワー全開の凶暴なソロで、たぶんオーネット・コールマンが聴いたら万歳するか激怒するかどちらかだろう。この曲はひたすら片山テナーをフィーチュアして終わり。すばらしい。4曲目は、ドラムが豊住さんではなく菊地隆さん、ベースは早川さんという、ドクトル梅津バンドが全員いるというメンバー。しかも、びっくりするほど「ちゃんとした」曲。複雑でかっこいいアンサンブル。秋吉敏子かバディ・リッチかというぐらのすごい超絶技巧必要のテーマ。そして、トロンボーンのモダンジャズなすげーソロ(なぜかチェロのピチカートがド変態にかぶさるのがいい感じ)。たぶん松本治さんだろう。リズミックなリフのあと、一転してアバンギャルドなテナー(片山さん)が暴れ倒す。このギャップもいいっすねー。トロンボーンとテナーによるリフ(テナーはソロもしてる)をバックにドラムやベースが超高速で弾き倒したあと、突然、ミディアムテンポのスウィングジャズに。ここは笑うところのはず。そこからまた混沌として(一応リズムはあるのだが、すごく緩い)、トランペットソロになる。それが展開して、ドラムとトランペットのデュオになり、そのままドラムが残って、最後はまた華麗にテーマを決める。ほんまにブラスロックみたいにも聞こえるぞ。そりゃあすごいメンバーが集まっているのだから、このぐらいは簡単なのかもしれないが、これまでの曲とのあまりのちがいに驚くしかない。5曲目も前衛的な部分とモダンジャズ的な部分がうまくミックスされたド迫力の曲。全力で吠えるアンサンブルだけでもかっこいいが、短くフェイドアウトされる。いやー、この2枚組、じつは何度も何度も聞いたのだが、いつも1枚目の途中で力尽きる。それぐらいパワーミュージックなので、しんどいのである。しかも、アルバムとしての構成を考えていない、「記録」としての側面が大きい編集なので、それも疲れるのだが、一曲一曲の演奏はじつにすばらしいことは間違いない。こういうアルバムが今、出たというだけでもただただすごいことでありますよ。
「TANGO」(ALAGOAS DISK ALADI−001)
FMT
同名のバンドはヴァンダーマークもやっているが,これは元祖(?)のほう。メールスでの大傑作ライヴ「ユー・ガッタ・フリーダム」(ファラオ・サンダースの曲にタイトル似てますね)。メンバー的にはもう最強で、たがいに気ごころも知り、手の内も、音楽的バックボーンも、なにもかも知り尽くしあった同士による演奏である。単なる仲良しではなく、ときには殴り合うような、たがいに自分を前面に出しながらの、それでもなおの長い付き合いであることは「シチリアーノ」でもわかるが、そういった長いつきあいで、しかも馴れ合うことなく、創造的(あんまり好きな言葉ではないが他に思いつかん)な演奏をやり続けるというのはどえらいことではないか。このバンドは藤川義明が胴を取っているのではないかと思っていたが、本作では翠川敬基の曲が8曲中4曲と半分を占めている。藤川のアルトは、音の線は細いが、美しく、芯があって、鳴りまくっている。音程もばっちりで、テクニックもあり、最高なのであります。翠川敬基のチェロは、ネットとか見ると悪くいうひとがいてよくわからないが、この演奏がよくないというのだったらそのひとは自分の耳を疑ったほうがいい。ここでの翠川さんはマジでめちゃくちゃいい。豊住さんは全編爆発しまくっていて、このバンドのエンジンである。どの曲もすばらしくて、ちょっとびっくりする。「ええ曲ばっか」である。かなり複雑な曲も多いが、それをきっちり涼しい顔でやりこなすこの3人の技術力もすごいと思う。フリーインプロヴィゼイションの部分もたくさんあるので、そちらのファンのかたも十分楽しめます。個々の演奏には触れないが、それはアルバムまるごと最高だからである。とんでもない傑作なので、多くのひとの耳に届いてほしいが……どうなんでしょうね、そのへん。なお7曲目は、往年のナウ・ミュージック・アンサンブルを思わせるような演劇的な表現がある演奏。美しいメロディ、叙情、諧謔、汚い音(ノイズ)、リズムの快楽、即興のスリル……ここにはあまりに多くの情報が詰め込まれていて、10回や20回聴いたぐらいではとうてい味わい尽くすことができない。傑作!