jun fukamachi

「JUN FUKAMACHI & THE NEW YORK ALL STARS LIVE」(BOUNCE RECORDS BOUNCE−0008)
JUN FUKAMACHI & THE NEW YORK ALL STARS

 フュージョンのはしり?的なアルバムで、昔はみんなこそっと(?)愛聴していたものである。スタッフ、ブレッカーブラザーズ、マイク・マイニエリ、スティーブ・カーン……と混合というかまさにオールスターメンバーなのだが、演奏は最高だし、曲もたとえば「ストラップ・ハンギン」を演っていたりして、個々のアルバムと聞きくらべるおもしろさもある。マイケル・ブレッカーの怒濤のソロは、おそらく当時、会場にいたファン
度肝を抜いたであろう。ほかも全員、日本での出稼ぎ、しかもリーダーは日本人……という状況にもかかわらず手抜きなく、力の入った演奏を繰り広げており、「ブルー・モントルー」あたりと並ぶフュージョンの名盤だとおもう。ものすごく久々に聴いたが、飽きることなく聴きとおせる……ということは中身が古びていないということで、正直なところ、この当時のフュージョンアルバムのなかには、今聴くと、リズムとかアレンジとかが「ダサーッ」と思ってしまうものもあるのだから立派なものだ。それと、リーダーである深町純が意外にも、といったら失礼だが、ソロでも健闘している。名ばかりのリーダーというのとはちがって、ちゃんと当時の最高峰のメンバーとタメを張っているのがたのもしい。