「THEY WERE GENTLE AND PRETTY PIGS」(THE BEAK DOCTER BD7)
GREG GOODMAN/MATS GUSTAFSSON/GEORGE CREMASCHI
3人によるインプロヴィゼイション集だが、ガスタフスンのファンにとっては(つまり、私にとっては)めちゃめちゃ満足できる内容である。徹頭徹尾、ガスタフスンが例の音を駆使して吹きまくってくれる。どの曲もすばらしく、ああ、これが本来のガスタフスンだよなあ、としみじみ。今のジャズ〜インプロヴァイズド・ミュージック界を見渡しても、これだけ音色の個性をもったサックス奏者はいない。それを存分に味わうことができる。ピアノのグレッグ・グッドマンも秀逸で、彼とガスタフスンのからみあいを聴いていると、即興というのはセンスだなあ、と思ってしまう。パーカッションのジョージ・クレマシ(と読むのか)もなかなかよくて、地味だが、たいへん充実したアルバムだ。全9曲ということになっているが、変なおまけがある。しかし……どういう意味があるねん、このおまけ。なお、演奏的には三者対等だと思うが、一番うえに名前の書いてあるグッドマンの項に入れた。