wendell harrison

「REAWAKENING」(BLUES INTERACTIONS PCD−23556)
WENDELL HARRISON ANTHOLOGY

 トライブというレーベルがあって、それをトロンボーン奏者のフィル・ラネリンとともに主催していたのがこのウェンデル・ハリソンというテナー奏者らしい。帯裏のあおりには「ハードドライヴィングなコルトレーン・マナーからアブストラクトなフリー奏法まで、完成されたテクニックであらゆるスタイルに対応」とあるので、当然、そういう演奏が収録されているのだろうと思って買ったわけだが、中身は、へったくそな歌のはいったソウルで、本人のサックスソロは音程も音の抜けも悪いし、フレーズも最低で、なにがコルトレーン・マナーだ。フリーっぽいところなど皆無。だいたいライナーノートには「全10曲中、半数以上がヴォーカル作品。それも、よく熟れたフルーツのように甘味で甘美な作風にまとめられた」とある。上記のあおりからそんなことが読み取れますか? 羊頭狗肉とはこのことだ。ちゃんと帯には中身がわかるように書いてくれ。そしたら、買わずにすんだのだ。だいたい、歌のバックで数人で吹くババッ、ババッという単純なリフがばらばら……というような演奏は、かんべんしてほしいです。