billy higgins

「ONCE MORE」(RED RECORDS VPA164)
BILLY HIGGINS

 傑作! これも昔よくジャズ喫茶でかかってたなあ。とくにA面は覚えてしまうほど聴いた。ボブ・バーグのワンホーンで、シダー・ウォルトンにビリー・ヒギンズという編成は、当時のシダー・ウォルトン・カルテットのベースを替えただけなのだが、さすがにグループとしてのまとまりはめちゃめちゃいいし、曲も、リーダーであるヒギンズの曲は一曲もないにもかかわらず、非常に統一感がある。ドラマーがリーダーだけあって、ドラムソロがやや多いが、ヒギンズのドラムはよく歌うので問題ない。1曲目はシダー・ウォルトンの曲で、もうめちゃめちゃかっこいい。ボブ・バーグのテーマの吹き方がかっこいい。繰り返しのときオクターブ上げるのがかっこいい。ソロも最初にドラムのロングソロが来て、そのあとテナーソロになってからブロウしまくるのもかっこいい。2曲目は「ラヴァーマン」で、この選曲もええなあ。ピアノがソロでテーマを弾き、テナーはサビからというアレンジ(?)。ベースのトニー・デュマスをフィーチュアしているが、ええ感じです。ピアノソロも歌いまくりで最高っす。最後にテナーソロを持ってくるあたりの配置もいい。ボブ・バーグはバラードを吹かせても、辛口に歌う感じですばらしい。テーマの構成は後テーマも同じ。3曲目はジョビンのボサノバ。これもいかにもドラマーのリーダー作っぽくていいなあ。このメンバーだと、妙に力で押さず、軽妙洒脱かつ自在にやってくれますから安心。ドラムがやはり素敵。B−1はボブ・バーグの曲で、ボブ・バーグ自身のソロにやはり耳がいく。かーっこいいっ! B−2はブルーノ・マルティーノというひとの有名曲「エスターテ(夏)」。ボブ・バーグの歌い上げがすごい。そしてラスト曲はなぜかマンフレッド・ショーフの曲だが、イントロ(?)のボブ・バーグが吹いているパターンは私も練習しました(今でも練習してる。しつこい?)。ルバートが結構長いが、そこが死ぬほどかっこいい。そして、インテンポになってテーマ。このあとのボブ・バーグのソロまたがかっこいいのだが、ピアノソロの途中でリズムがなくなり、ドラムのフリーなソロがロングフィーチュアされて(これもめちゃいい)エンディング。いやはや、どんだけかっこいいという言葉を使わされることか。名盤!