high society orchestra

「HIGH WAY」(PHILIPS/NIPPON PHONOGRAM RJD−2)
HIGH SOCIETY ORCHESTRA

 学生ビッグバンドのアルバムが複数枚発売されたことがあって、これもその一枚だと思うが、なにしろ今から35年もまえの話である。しかし、本作はめちゃくちゃ内容がよく、録音もすばらしい。しかも、解説に野口久光、瀬川昌久の両巨頭が並ぶ、という豪華さである。A面の2曲はいかにも77年の録音だけあってかなりがっつり目のフュージョンだが、アンサンブルの熱気、リズムのていねいさを聴くだけでも価値がある。以前、西宮北口にあったジャズ喫茶「コーナーポケット」でしょっちゅうこのアルバムがかかっていたが、ビッグバンドについては最高の目利き(耳利き?)だったはずの故鈴木氏が本作をあれだけ推していたというのは、やはり内容が気に入っていたからだろう(かかっていたのはほとんどがB面だった)。バリトンサックスに御子柴さんが入っているせいもあって、なんとなく親近感を覚えるアルバム。B面の3曲は4ビートだが、名アレンジによる「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニ・モア」でのトランペットセクションとサックスセクションのソリバトルなどは迫力十分だし、「ジョニー・ホッジス」のサックスソリも見事な出来で、アンサンブルを聴くべきアルバムだと思います。