human feel

「GALORE」(SKIRL RECORDS SKIRL CD 006)
HUMAN FEEL

私は、ティム・バーン、ジム・ブラック、クリス・スピードあたりの人脈にはうといので、このグループのことも全然知らなかった。たぶんアルバムを目にしたり、レビューを読んだりしていたのだろうが、頭にとどまらなかったのだ。今回、あるひとのレビューを読んで、どうしても聴きたくなり、本作を買った。いやー、知らないというのは恐ろしいもので、あのレビューを読まなかったら、死ぬまでこの音楽を聴いていない可能性もあるので、怖い怖い。いきなりノイズ+激しいビートだが、それを支えているのがバスクラリネットの木管的な音色というのがめちゃめちゃかっこいい。曲ごとにバラエティのあるさまざまなアイデアがぶつけられるが、全体に言えることは、カラフルかつ切れ味のいいリズム、個性全開の2管による理知的かつパワフルなソロ、そしてギターの、聴き手をあおり、共演者をあおる起爆剤のようなプレイ……ひとつだけならともかく、これだけそろうとどうしようもない。理屈でごちゃごちゃいうより、とにかく聴き手の好奇心とかいろいろなものを直撃する演奏なのだ。私のようにフリージャズぐらいしか聴いたことのない聴き手よりも、さまざまなジャンルの音楽を深く聴いてきたひとほど、この演奏にははまるのではないだろうか。かっこいーっ! これが「復帰作」というのだから、それ以前のものも聴かなくては。なお、このグループは、あとから参加したカート・ローゼンウィンケル以外は対等だと思うので、バンド名義の項を立てた。