groupo inventos

「INVENTOS」(INDEPENDENTE 7892860213729)
GROUPO INVENTOS

 あるひとに推薦されて聴いたアルバム。正直、ブラジルのひとたちによる管楽器アンサンブルというだけで、まーったく予備知識はないし、今もその知識は増えていない。なんでかっちゅうと、かなり分厚い長いライナーノートがついているのだが、英語じゃないので(英語でもよくわからんのに)さっぱりなにか書いてあるかわからんからである。しゃあないなー。基本的には6人によるグループで、リーダーはジョアナ・ケイロスという女性テナー吹き(クラリネットも)らしい。ブックレットに載っているメンバー全員の白黒写真のなかで、ただひとり、真っ赤な服で写っているひとらしい。リーダーの特権か? バンド名はたぶん「インヴェントス」と読むのだろうから、英語のインヴェントと同義ではないかと思うが、そういう新しい挑戦的な演奏ということなのかも。これがまあ、ええんです。管楽器だけのアンサンブルかと思ってたら、アルトのやつがピアノを弾いたり、ゲストでドラムやボーカルやパーカッションが入ってたり、突然、コーラスが入ったり……と一筋縄ではいかない。しかも、持ち替えがみんなうまいんや、これが。一応、アルト、テナー2(ひとりはクラも多用)、バリトン、トランペット、トロンボーンの6人がベーシックなメンバーで、ときに応じてゲストを入れたり、楽器を持ち替えたり、歌を歌ったり……ということらしい。アンサンブル主体の音楽で、ジャズのようにソロが大きくフィーチュアされることはないが(歌伴のバックなどでオブリガード的なソロがあるし、12曲目なんかはソロの応酬がある)、こういう木管主体のアンサンブルを聴いているだけでよだれが垂れてくる嗜好なので、まったく問題ない。全然音楽的内容は異なるが、関西の、河村光司さんたちがやっているサックスアンサンブルZZSQを連想したりして。この「インヴェントス」の音楽は、とにかくディープなブラジル音楽に根ざしているようなので、そこの知識が皆無である私には基本素養がスコーン! とない状態で聴いているわけで、かえってなんにも考えずに楽しめる。それにしても、11曲目の「ドクター・コーネリアス」という曲の冒頭のバスクラ……かっこええなあ。ますますバスクラが好きになる今日このごろでございます。正直、前衛的な部分はまったくない、ド正統、ドまとも、超ストレートアヘッドな演奏で、非常に真摯な、ある意味たっぷりすぎるぐらいたっぷりした内容でありますが、逆に、なーんにも考えずに楽しくBGMとして聴くことだって可能だとさえ思われるエンターテインメントでもあります。推薦してくれたひとは「室内楽的」と言っていたが、音圧が凄いし、全員フルトーンで吹いているので、どちらかというと室外楽(?)的に感じました。これはおもろかったわー。