「LIVE AT GLENN MILLER CAFE VOL1」(AYLER RECORDS AYLCD−012)
PETER JANSON/JONAS KULLHAMMAR/PAAL NILSSEN−LOVE
うわーっ、誰やこれ。ヨナス・カルハンマー(とは読まないでしょうね)とかいうこのテナーのにいちゃん。すごいんとちゃうか! ピーター・ヤンソンというベースのひとのリーダー作(テナー、ベース、ドラムのトリオ)だが、耳はずっとこのえぐいテナーにひきつけられている。最初は、うーん、まあまあかなあ……という軽い感じで聴いていたのだが、聴きすすむにつれ、目が点になってきた。そして、5曲目の凄まじいブローと、そのあとに続くニルセンラヴのこれまた壮絶なドラムソロ、そして彼をバッキングするテナーのリフ……そのあたりで、いやはやおそれいりましたという感じになった。アイラーレコードは、いいものも出しているが、実は玉石混淆で、なんやこれ?的なものも混じっているが、このアルバムはすばらしかった。実は、ニルセンラヴにひかれて買ったのだが、彼もリーダーのベースもかすむほどのテナーの熱演だ。某所で名前を見かけたので、私が知らんだけで、けっこう有名なんだろうなあ。第一集というから、はやく第二集も出してほしい。いやはや、ノルウェーというところはすごいわ。こんな人材がごろごろおるんやからなあ。日本の若いテナーマンたちも奮起せよ。もっと、露出しろ。レーベルをだまして、あるいは自分で作って、がんがんアルバムを出せ。むりやりでいいから世界に発信しろ。シカゴやスウェーデンの連中の積極性を見ていると、いつもそう思うのだ。日本にだって、若くて、いいテナー奏者はたくさんいるわけで、彼らがもう少し、対外的にアピールすれば、シーンはきっともっとおもしろくなっていくのだろうけどなあ。このテナーの人について知りたくて、ライナーを読もうと思ったら、これがマッツ・ガスタフスンの手になるもので(ちょっと先輩格なのだろう)、下品でブロークンな英語のスラングを多用したえげつない文章で、知りたいことはさっぱりわからなかった。最後になったが、リーダーであるベースのピーター・ヤンソンもすごくいいプレイを随所で披露している。