「REVOLUTIONARY ENSEMBLE」(ENJA RECORDS CDSOL−6588)
REVOLUTIONARY ENSEMBLE
レヴォリューショナリー・アンサンブルについてはいい聴き手ではなかった。私はだいたいテナーサックスが入ってるかどうかで聴く聴かないを決めているのだが、テナーサックスはおろか管楽器がまったく入っていない、ヴァイオリン〜ベース〜ドラムという編成には関心ないに決まってる。しかも、名前が革命的アンサンブルという、このころのシカゴにありがちな大げさではったりくさいものだ。2度ほどレコードを聴く機会があったが、あまり興味をひかれずに終わっていた。フリージャズのマニアとか評論家は、こういうのも分け隔てなく聴かないといかんからたいへんやなあ、ぐらいに思っていた。そして、今回廉価版が出たのを機会に購入して聴いてみたが、へえー、まえに聴いたときと違った印象で、かなりおもろいやん、という感じと、あー、やっぱりな、というのと半分ずつぐらいだった。考えてみたらメンバーはすごくて、リロイ・ジェンキンス、シローネ(ノリス・ジョーンズ)、ジェローム・クーパーという今にして思えば超豪華なのだ。これはエアーとかブラクストングループとかリチュアルトリオもそうであって、このメンバーで悪い演奏のわけがないという思いが、聴く側である私にある点が、ずいぶんまえに聴いたときとは違うところだ。あと、このグループは、弦楽器が主体のバンドという認識だったが、いきなり1曲目はみんなで笛とか吹いてて、ほぼアート・アンサンブル・オブ・シカゴを聴いてるに等しいノリで聴ける。相当ラフで、思いつき優先のところもあり、子供が遊んでるみたいな空気もあるし、さすがのテクニックを披露する部分もあり、思わず笑ってしまう。クーパーのドラムも普通にスウィングしてるし、思い切ったリズムをぶつけていて爽快。ライヴということもあってか、かなり盛り上がるし、ジェンキンスとシローネの複雑怪奇な絡みは弦楽器苦手な私でも楽しめる。だが、あんまり長くそういうパートが続くと、やっぱり管楽器に登場してほしいと思ってしまうところが、聴き手としての私の限界なのである。メロディックな曲もあり、個々のソロもいい(4曲目のシローネのベースソロは大迫力)。あと、CDのジャケットではなぜか省かれているが、クーパーはピアノも弾いている(それもかなりたっぷりと)。あと、彼が弾いてるらしい「チラミヤ」とかいう楽器はなんなのだ? ググッてもわからんかった。4曲目のバラフォンは素朴でええ感じでした。結論としては、3人のうちだれかが自分の主奏楽器以外を演奏してるときが一番面白い……あかんやん。それは冗談ですが、ヴァイオリンにコントラバスにドラムかあ……と尻込みすることなく、気軽に楽しく聴けるということを言いたいわけであります。でも、聴くのにかなり集中力を要するバンドでもあるが、それもまたよし。