peter ole jorgensen

「THREE ROCKS AND A PINE」(NINTH WORLD MUSIC NWM020CD)
THE WILD MANS BAND

 ブロッツマン、オレ・ヨルゲンソン、フリス・ニールセンという3人のペーターに、ガスタフスンをゲストでくわえたアルバム。ドラムのヨルゲンソンがプロデュースしているから、彼がリーダーと考えていいのだろう。たしかに、一曲目のドあたまで、迫力のあるブラシが炸裂するところなんか、ただものじゃないねえと思うが、やはりおおかたの耳は、ブロッツマンとガスタフスンというふたりのテナー奏者にひきつけられるだろう。全体に短めの曲が並ぶが、不完全燃焼なものは一曲もなく、逆に、曲中でテンションが落ちないので、アルバムの最後まで興味が持続して聞き続けられる。ガスタフスンはバリトンを多用しているが(つーか、ほとんどバリトン)、例によって、声をまじえたり、音をいろいろ変化させたりしてのソロはこの人の独壇場である。対するブロッツマンも、のっけからダーティートーン全開のブローで迫り、いつにない迫力である。いやー、かっこええなあ。何かいやなことがあった人、仕事やらなんやらでストレスがたまっている人、このアルバムを聴けば、すかっとさわやか、めちゃめちゃ爽快な気分になることうけあい……というわけにはいかん人もいるかもしれんが(逆にやかましすぎて頭が痛くなるひともいるかも)、すくなくとも私はめちゃめちゃスキーッとしましたよ。