「E.J.BLUES」(PIT INN MUSIC PILJ−0003)
FUMIO KARASHIMA MEETS TAKEO MORIYAMA
エルヴィン・ジョーンズがキーワードになったスペシャルライヴを収めたアルバム。たしかに一曲目はおなじみのエルヴィンの曲ではじまり、ほかにもエルヴィンゆかりの曲も演奏されるが、個人的には辛島のオリジナルの2曲が印象深かった。森山と辛島のふたりのからみは最高で、とくにピアノのフレーズのかっこよさにはしびれまくる。疾走感がある、ということは言い換えればリズムが安定しているということで、リズムがしっかりしていないといくら早弾きしても、このスピードは出ない。それをあおるのが森山威男なのだから、これはもうよだれにつぐよだれ。しかし、テナーサックスがなぜか音が細くて軽く、音が抜けていない感じだ。フレーズはコルトレーン的なものをベースにしており、歌心もあり、すばらしいのに、なんでかなあ。このひとは生で聴いたことはないので断言できないが、たぶん録音のせいだと思う。ライヴ録音なのでしかたないかもしれないが、そこが唯一残念。