george kawaguchi

「SUPER DRUMS」(PADDLE WHEEL GP−3201)
GEORGE KAWAGUCHI & THE SUPER BAND

発売当時に買って、あるとき、金に困って売ってしまったが、ちょっと事情があって、今回、中古で再度購入した。ものすごく久しぶりに聞き直してみたが、やっぱりおもろいなあ。ジョージ川口は、このアルバムがでた当時は、ビッグ4のひと、スウィングのひと、昔のひと、過去のひと、ジャズフェスで派手なドラムソロをパフォーマンス的に演じて拍手を強要するひと、大ぼらをおもしろおかしく語る奇人変人……みたいなイメージだったように思うが、ひとりのジャズドラマーとしてのジョージのすごさを、こういった特別企画的な切り口で再認識させたという意味で、超々々々画期的なアルバムだと思う。一曲目の「タッパンジー」がなんといっても鮮烈な印象だが、「イズント・シー・ラヴリー」とか「宇宙のファンタジー」とか、おもろい曲が目白押し。メンバーも今から考えるとびっくりするほどすごくて、とくにサックスセクションは、沢井原兒、大友義雄、松本英彦、清水靖晃……と豪華絢爛。清水さんの初期を代表する演奏といってもいいかも。メカニカルなフレージングは、ブレッカーの影響大だと思われるが、今聞き返すとしみじみと「ジャズ」である。続編もでたが、エポックメイキングという意味では、本作こそジョージ川口の代表作に加えられてしかるべきでしょう。ときどきフィーチュアされる御大のドラムソロも、なぜか曲の流れにぴたっとはまって不自然ではないのがすごいところ。ええもんは時代をこえる。すいません、もう売りません。