「BLACK NOISE 2084」(ON THE CORNER OTCRCDJ001)
KHALAB
全然知らんひとなのだが、シャバカ・ハッチングスが入ってるということで聴いてみたら、めちゃくちゃかっこよくてひっくり返った。民族音楽+ヒップホップ+フリージャズみたいな感じで、これはファラオ・サンダースやアーチー・シェップが目指した麻薬的音楽とほぼ同じではないか。ドン・チェリーもカークもそうか。ここでの演奏におけるアフリカ的なものの表現がはたしてマジなやつか、それともそうでないのかは私にはわからんが、ファラオのように「雰囲気アフリカ」であっても全然かまわんと思う。こういう音楽を私は欲していたのだろうなと思った。これは擬似アフリカだから良いのであって、いやいや、じつはこの演奏はアフリカ音楽を研究しつくしたうえで、とか、このひとは西アフリカの出身で……と言われても、そうですか、としか言いようがない。とにかく我々の脳内になるアフリカなのである。ビバップとかハードバップを一生懸命やってるひとたちには申し訳ないが、これこそジャズでしょう。ちがうんかな。シャバカが入ってるのは3曲目と6曲目ぐらいなものかもしれないが、この音楽に溶け込み、どの曲でも吹いているのでは、と錯覚させるぐらいの存在感がある。シャバカが入ってないほかの曲もめちゃくちゃかっこいい。ただ、ダンスミュージックなのでそこまでビートをくれなくてもいいとは思う。ノイズやフリーミュージックを聴く体力はあるのだが、ダンスはしないんです。全体にあまり長くないので、聞き終わったらついリピートしてしまう。傑作。