「JAZZ SPECTACULAR」(SONY MUSIC ENTERTAINMENT SICP4273)
FRANKIE LAINE & BUCK CLAYTON
まあ普段はこういうアルバムを買うことはありえないのだが、メンバーがあまりに凄すぎるのでつい買ってしまった。フランキー・レインといえば「ハイ・ヌーン」や「OK牧場の決闘」「ローハイド」といったウエスタンのテーマで超有名だが、実際はなんでも歌うひとで、とくにジャズは得意中の得意らしい。実際、このアルバムを聴いても、めちゃ上手いうえに、綺羅星のごときメンバーをしっかりスターとして従えて堂々たる歌唱をみせている。まあ、びっくりするぐらい金のかかったゴージャスなアルバムである。で、そのメンバーだが、「バック・クレイトン・アンド・ヒズ・オーケストラ」となっていて、たしかにバック・クレイトンは要所要所で歌心あふれまくるソロをとっているが、レイ・コープランドも参加しているし、トロンボーンにいたっては、アービー・グリーン、ディッキー・ウェルズ、ローレンス・ブラウン、そして、なななんとJJジョンソンにカイ・ウインディング! J&Kかよ! 全員がバンドリーダー格のボントロセクションなのだ。サックスはリードアルトがヒルトン・ジェファーソンでこのひとはリードも吹けるし、ソロもできる。そしてテナーは、バド・ジョンソン、アル・シアーズ、そしてあのビッグ・ニック・ニコラスだ。ひぇーっ、すごい。テナーソロはほとんどがバド・ジョンソンらしくて、ニコラスはあまり吹いていないが、アル・シアーズにいたってはソロがない(と思う)。エリントンにいたあのビッグ・アル・シアーズやで。アル・シアーズってけっこうスターやないんかいな。「キャッスル・ロック」のひとやで。ま、ええけど。とにかくそれぐらい贅沢なアルバムということだ。リズムセクションもサー・チャールズ・トンプソン、ミルト・ヒントン、ジョー・ジョーンズなどスターばかり。インストの曲もあり、ジャズ的にも聴きごたえ満載。そしてバック・クレイトンはリーダーとして圧巻のソロを各所で吹いているが(とくに「マイ・オールド・フレーム」。存在感すごいです)、ほかのソロイストも全員すばらしく、美味しいソロの連続で感動するしかない。とくにバド・ジョンソンは圧倒的だ。しかも、アレンジもよくて、ちゃんとサックスソリとかあるのだが、これが録音当日に譜面を渡されての演奏とは考えられない。私の好きな「テイキン・ア・チャンス・オブ・ラヴ」も入っていて、これで1000円なんて、なんとお買い得なんだ。というわけで、たまーにこういうものを買うのだが、今回は大成功ということで。もうけた。いやー、傑作です。