daunik lazro

「DOUROU」(LABEL BLEU REGARD CT1954)
DAUNIK LAZRO QUINTET

ドゥニク・ラザロに関しては、フランスのアルト〜バリトン吹きで、ミッシェル・ドネダやジョー・マクフィーといっしょにやってるひと、ぐらいの知識しかなく、がっつりリーダー作を聴くのは本作がはじめて。しかし、なんでこのアルバムを買ったのだろう。さっぱりわからない。全然その理由をおぼえていないのだ。メンバーをみても、私が「聴きたい!」と思うようなメンツはいない(ジョー・マクフィーはべつだが、彼のリーダー作ではないし)。まあ、ともあれこうしてこの作品と巡り会えたのだから、そのあたりの詮索(というか記憶をたぐる)のはやめにしよう。私は、ドネダとやっているというところや、ジョー・マクフィーが入ってるということから、もう少しインプロヴァイズド系かなあと思っていたらまったくちがって、がっちりしたコンポジションがあり、編曲があり、そのうえでソロを展開するという、かなりガチガチのストレートな「ジャズ」だった。しかし、コンポジションがすばらしいし、編曲もかっこいいし、入念なリハが行われたであろうと思われる丁寧な演奏で好感が持てる。主役のラザロは、すごくテクニックがあり、楽器をちゃんとコントロールして、自分がいまなにをしているのか完璧にわかっているタイプのミュージシャンで、たいへんハイレベルなソロをする。私の好みとしては、もう少しパワフルで破綻があって個性があるほうが好きだが、いやいや、ラザロがダメということはまったくなく、逆に、こういうきちんとしたひとがやる気まんまんでプレイしているのを聴くのはすごくいいと思った。ジョー・マクフィーはやはりポケットトランペットより、テナーのほうが好みだ。ドラムとのデュオの場面などすごくいい。フレーズの語尾をフラジオでしゃくりあげていくような独特の感じが好き。マクフィーだけでなく、共演者はみな、すばらしい。ツインベース(ひとりはポール・ロジャーズ)も効果をあげていて、とくにジョー・マクフィーの書いた、マラカイ・フェイヴァーズに捧げたと思われる作品ではふたりのベースが活躍している。ドラムのクリスチャン・ロレットはとくにブラシがすばらしく、繊細かつパワフルにメンバーをプッシュしている。5回ぐらい聴いたけど飽きなかった。おもろかったです。