bukky leo

「REJOICE IN RIGHTEOUSNESS」(ACID JAZZ JAZID7)
THE BUKKYLEO QUINTET

 なんやねん、これ、と言いつつ購入したのを思い出す。若い黒人ミュージシャンがテナーを持って鋭い目線をこちらに向けているジャケットがかっこよさげだったので試聴して、1曲目を聴いて、おおっとピンと来たのだが、なんの予備知識もなかった。でも、もう25年ぐらいまえの話ですよ。このひとに関してはいまだに知識が増えておらず、どうやらバッキレオじゃなくて、BUKKY LEOと途中で切るのだということだけわかった(このアルバムでの表記だとつながっているのです)。エジプトなんとかというバンドをやっていることもわかったが、聴いたことがないので、どういうものなのかは知らない。ただ、このアルバムがかっこいいということだけしか知らん。A面B面2曲ずつで、とにかくA−1がいちばんすごい。エディ・ジェファーソンバージョンの「ジーニン」を思わせる、コーラスが入ったテーマに続いて、バッキー・レオというテナー奏者が吹きまくる。けっしてフリーな感じではないのだが、熱い、70年代ジャズを思わせる、とぐろを巻くようなブロウを展開する。音も太く、黒々としている。リズムセクションもうまく、全体に、なんちゅうかスピリチュアルジャズというかちょっとちがうけどファラオの「ユーヴ・ガット・トゥ・ハブ・ア・フリーダム」のコーラス入りバージョン(「リジョイス」かなにかに入ってるやつ)なんかを連想する、そういう汗くさい雰囲気が漂い、しかも、洗練もある。テナーの音色は一本調子で、ダイナミクスとか考えず力で押す感じだが、そこがまた若さを感じられて良い。2曲目はカリプソ風で、めちゃめちゃちゃんとした演奏。ピアノもしっかりしてるし、テナーソロを煽るドラムもいい。B面1曲目は、モードっぽい曲で、テナーもややフリーキーになったりしてフリージャズの影響も感じられる。ラストは、サンバっぽい曲で、カラフルなリズムセクションに乗って明るく吹きまくる。どの曲でも、ソロはこっちが恥ずかしくなるほどストレートアヘッドで、なんのてらいもなく、熱い、シンプルなフレーズを吹き続けるこのバッキー・レオというひとにすっかり魅せられてしまったのだが、そのあとまるで続報がなく(関西ではね)、結局持ってるのはこの一枚だけなのだ。アシッド・ジャズというレーベルから出てるし、そういう系の人なのかなあ。