rudi mahall

「AUF DER SCHONHAUSER ALLEE」(JAZZ WERKSTATT044)
GUNTER ADLER

高瀬アキとグッドボーイズのライヴとメンバーがほぼいっしょ(バスクラとベースとドラム)なので、同日のライヴかなあと思ったら、どうやらちがうらしい。どうやら「グンター・アドラー」(と発音するのか?)というグループで、本作は3作目らしい。おそらくルディ・マハールが中心になったバンドで、ピアノレスでテナーがダニエル・エルドマンというひと(ぜんぜん知らんひとだが、なかなかかっこいい。音もいいし、ソロもいいが、コルトレーンというかジョー・ヘンダーソンというかモーダルなフレーズをゴリゴリ吹くような演奏もある。狙いどころはけっこう特殊なので、すごく気に入った)。皆が曲を持ち寄っており、サウンド的にも高瀬アキグループとはかなりちがうが、ジャズをベースにしており、楽器をきちんと鳴らし、コントロールしたうえで、新しいなにかを作りあげようという姿勢が心地よい。ギャーッというのも好きですけどね。普通のジャズファンでも十分聴けるような、オーソドックスなタイプの曲〜演奏が多いので、ちょっとめんくらったが、ソロになると全員個性を発揮する。ちょっと新しめのモダンジャズぐらいかなあ。アンサンブルもものすごくしっかりしていて、きっと練習をかなりしているのだろうと思われる。それにしてもルディ・マハールはすごい。バスクラ一本とはとても思えないほど、多彩な音を出すので、アルトに持ち替えてるのかな、とかいろいろ考えながら聴いていたが、そうではないのだった。もうひとつ、彼について思うことは、インプロヴィゼイションの方法なのだが、彼はバスクラでどう聴いてもドルフィーがアルトでやったような変態的跳躍フレーズをばりばり吹きまくるうえ、ドルフィーがバスクラでやったようなどす黒くもまたクラシック的なソロもするし、ドルフィーがフルートでやったような幽玄かつシュールな演奏もする。つまりドルフィーが3種類の管楽器でやったことをバスクラ一本でやっているのではないか……というのは私の幻想でありますが、それにしてもたいしたやっちゃ。生で聞きたいぞ、ルディ・マハール。