joe maneri

「THREE MENS WALKING」(ECM 1597 531 023−2)
JOE MANERI/JOE MORRIS/MAT MANERI

 ジョー・マネリを聴くのは恥ずかしながらはじめて。息子のマット・マネリのほうはいろんなアルバムで接したことがあったが、このエルメット・パスコールみたいな父親のほうは、マルチリードなのでいまいち興味がなく(何度もいうように、テナーしか関心がないので)、機会を逸していた。ヴァンダーマークともよく演っているギターのジョー・モリスも入ってるし……ということで今回、はじめての接見となったわけです。内ジャケットに使われている多くの写真は、全部コンサートの風景だが、本作はライブではなく、同メンバーによるスタジオ録音。聴いてみて、ああ、なるほど、こういう音か、と納得した。おもしろい。私好みでした。よかったよかった。現代音楽風なのかなあ、と勝手に想像していたが、意外と「ジャズ」っぽく、全編アイデアに満ちた、ときに静謐に満ち、ときにたゆたうようで、ときに鋭く斬り込み、ときにぐちゃぐちゃに暴れる……といった、ぜんぜん身構えることのないインプロヴィゼイション。二度聴いて、次の日もう一度聴き、この演奏が自分にぴったりであることを確認した。たまにはこういうのもいい(つまり、いつもはキレたテナーが暴れるようなやつばっかり聴いてるので)。三者対等のアルバムだと思うが便宜上、ジョー・マネリの項に入れた。