adam pultz mellbye

「GULLET」(BAREFOOT RECORDS BFREC032CD)
ADAM PULTZ MELLBYE

 先日、芳垣さんとともにツアーをしたカスパー・トランバーグとこのアダム・メルバイだが、本作はベースのメルバイのソロアルバム。ツアーではほぼ毎日、1、2本の弦を切り、芳垣さんをして「ツアーギャラがほとんど弦代に消えてる」状態だったというメルバイだが、本作でも冒頭からウッドベースを激しく痛めつける。一聴、その場その場の思いつきでめちゃくちゃやってるようだが、じつは相当繊細な気配りがなされていて、音色といい間といい、その一音に込める思いは深い。ていねいな演奏だが、あのときのライヴでも見たように、超パワフルにウッドベースをぶんぶん弾き倒すことのできるひとなのである。ピアノソロとギターソロ以外の「(ジャズでは)本来はソロ演奏をしない楽器」のソロが好きな私だが、本作もとても楽しい。聴いていると、いろいろ想像が広がって、心を遊ばせてくれる。ベースの奏法というのもいろいろあるもんやな、と単純に感心したりして。全編アコースティックなので、普通のジャズファンの方もどうぞ。