「FAVORITE TIME」(UNION JAZZ KUL−5013)
SHIGEHARU MUKAI
ジャケットがオリジナルとちがう、変な写真の再発盤。なんでこんなジャケットにしたのかさっぱりわからん。トロンボーン+ギター+3リズム、というボントロをもっとも輝かせる編成で、オリジナルなし、全曲スタンダードか有名曲というコンセプト。コルトレーンがらみの曲を2曲やっており、かなりハードな内容だが、渡辺賀津美のギターソロがどの曲でも爆発しており、なんじゃこりゃー、ギターが良すぎるやんけ、これは向井よりも目立ってるかな……と思って聴いていると向井はさすがの貫禄でリーダーぶりを発揮し、うーん、さすが向井、とみんなが唸る仕組みになっている。リズムセクションはドラムがオリバー・ジョンソンだがあとのふたりは森山カルテット的。一種のセッションアルバムなのかもしれないが、傑作である。ただ、「枯葉」だけは、不思議なことに向井のフレーズがなかなか出てこず、ほかの曲が絶好調なだけに、なんでや? と頭に「?」がつきまくる。「オールド・フォークス」や「イン・ア・センチメンタル・ムード」などのバラードは絶品で、とくに賀津美とのデュオの「オールド・フォークス」は聴いていてよだれが滴るような演奏。