「XAI」(COLUMBIA CK46871)
MILTON NASCIMENTO
傑作という言葉すらむなしく感じるほどの大々々々々傑作。はっきり言って、ナシメントの全アルバム中いちばん好きだ。どれぐらい好きかというと、このアルバムのなかの二曲をアレンジしてバンドで演っていたぐらい好きだ。ナシメントのアルバムは大好きで、かなりの数を持っているが、このアルバムはどちらかというと彼の音楽としては異端のほうに属する作品ではないかと思う。しかし、私は本作で心臓をぎゅーっとつかまれた。もう、めちゃめちゃ感動したのです。全曲好きで、いつも、聴き始めるとごく自然に最後まで全部聞いてしまう。ナシメントの作品としては珍しく、主張とか前衛性とか過激さとかがかなり前面に出ているが、それを見事にポップにまとめていて、だれにも聴きやすくしている。ああ、こうして書いているだけでもまた聴きたくなってくる。ほんとですよ。とにかく好きなのだわしは。このアルバムのメロディをソプラノサックスでなぞっているだけで幸せを感じる。この音楽に出合えてよかったなあと思う。そこまで惚れ込んでいるアルバム。