「LISTEN・・・AND TELL ME WHAT IT WAS」(SOFA506)
NO SPAGHETTI EDITION
どうしてこのアルバムを買ったのか、今となっては覚えていないが、たぶんドラムがニルセンラヴだったという単純な理由だろう。買ってすぐに聴いたときは、全然おもろないやんけと思っていた。ところが、今回聴き直してみると、悪くない。昔懐かしい、カンパニーっぽい集団即興による演奏ばかりだが、メンバーが12人と多く、普通なら、音と音がかぶってぐちゃぐちゃになってしまうところだ。しかし、皆、ひとの音を注意深く聴き、それにきちんと反応するから、混沌とした印象はなく、逆に、あっさりした感じである。でもなあ、これぐらいの音絵巻は、内橋和久やハンス・ライヒェルならひとりで作りあげてしまうだろう(まあ、ひとりだからいいとか、そういう問題ではないけど)。集団即興なので、いわゆる「ソロ」はなく、一種のサウンドコラージュである。ただ、ちょっとエレクトロニクスを多用しすぎていて(そこがまた、古くさい感じに聞こえるのだ)、生楽器の音がそれに埋没してしまう瞬間が多く、全体に平坦な感じになっていると思う。それに、やっぱりなんぼなんでも12人は多すぎるわ。テナーのハーコン・コンースタが入っているのだが、何の印象もなかったのも当然だ。だって、みんな、ちょろっ、ぺろっ、としか音を出していないし、つねに複数の楽器が鳴っているのだから。ニルセンラヴ、ベースのインゲブリット・フラーテンらも参加しているが、どれが彼らの音なのか特定できない。やっぱり、こういうのはちょっと苦手かなあ。でも、いわゆるフリージャズ的になる4曲目あたりは、勝手に身体が反応するけど。最後の最後に数秒、おまけみたいなのがくっついているが、ギャグなのか何なのか……どういうつもりなんだろうか。さすがに、ニルセンラヴの抜けた二枚目は買いませんでした。なお、メンバーのうち、ベースのトニー・クルーテン、ドラムのインガー・ザッハ、ギターのイヴァー・グライデランド(たぶん、どの人の読み方もまちがってると思う)の3人がリーダー格のようだが、とりあえずグループ名で項目をたてておいた。