「INTO THE BLACK」(BODY ELECTRIC RECORDS EWBE0020)
OSHIMA TERUYUKI
めちゃめちゃ気に入った。こういう音は好き。音楽としてどのような分類になるのかはわからんが、コンポジションと即興が絶妙のコラボになっているわけだが、溶け合っている、というより、コンポジションも即興もそれぞれが突き詰めあっていて、コンポジションはより極端にコンポジションとして、即興はより過激に即興として、ここにある……といった感じ。これは見事。買ってから、何度聞き返したかわからない。それぐらい気に入りました。どういう音楽であるかは聞いてもらうしかないが、「かっこいい音楽が好き」というひとにはとりあえず推薦できます。これだけのメンバーをそろえて、それぞれ自己主張させたうえで、自分の音楽として完全にまとめあげてしまう手腕はすばらしい。全然見当違いの例えかもしれないが、マイルスみたいなもんだ。
「SEC:OND SIM」(DOUBTMUSIC DMF143)
SIM
一枚目はめっちゃおもしろかったが、こういう音楽をなんというのかよくわからん。ノイズっぽいところもあるし、ビート主体のところもあるし、ぐじゃぐじゃのインプロヴィゼイションっぽいところもあるし、機械的な冷たさを感じるところもあるし、狂熱を感じるところもある。メロディとかハーモニーも随所にあるが、それを隠そうとしたり壊したりする意志も感じる。でも、これは私のなかにちゃんとある音楽で、聴いてると楽しいし、なんというか、すごくよくわかる感じのものである。世の中には、どうしてもわからん音楽もあって、それは認めます。好きずきとかじゃなくて、なんでここでこういう風にするのか、俺にはわからん……という音楽、というか演奏。アコースティックだとかそうでないとか、即興だとかそうでないとかに関係なく、時々あります。それは、たいてい無理矢理感のあるものであることが多いのだが、このアルバムに収められている演奏は、それとは対極にある、私にとっては、ものすごくスーッと入ってくるものだ(と思ったから、このセカンドも買ったのだ)。弛緩した音楽に嫌気がさしたときなどに聴くと楽しいなかにもぴりっとなります。