「NEXT」(EXTRA PLANET EX146CD)
PIEKAREK QUARTET FEATURING JOSEPH BOWIE
どうやらオーストリアの人らしいこのアルトサックス奏者(ピーカレクか? 読み方もわからん)の名前につられて買ったのではもちろんなくて、ジョー・ボウイが入ってるから買ったのだ。ピアノレスで、ベースがウッドベース……ということは裏ジャケットからわかったが、どういう演奏をしているのかはまるでわからない。楽器構成から考えて、デファンクトみたいなやつではないだろうと思ったが、もしかしたらしょうもない「ちょっと新しめのジャズ」かもしれない。できれば、「エスニック・ヘリテッジ・アンサンブル」的な、活きの良いフリージャズであってほしい、と思ったが、聴いてみて驚いた。「デファンクトのアコースティック・バージョン」なのである。曲は、ファンクっぽいリズムのものが多く、テーマもドルフィー的な部分もあるがキャッチー。そこに、リーダーの、丁寧だがひたむきなアルトが乗る……という展開。そうそう、大原さんの「フォール・トゥ・ファンク」みたいな感じかな。ジョー・ボウイは、リーダーの意をくんで、かなり荒っぽいが、熱いブロウを展開している。昔ほどの圧倒的な迫力こそないが、さすがに聴かせる。ボウイ自身のラップやボーカルもフィーチュアされている。しかし、肝心のリーダーのアルトがいまいちピリッとしない。というか、もっと激情にまかせて吹きまくるような捨て身の部分というか、狂気の部分がなく、あくまでもきちんとフレーズをつむいでいく。そこがどうもイラッとするが、これは趣味の問題なのでしかたがない。要するに、こういうセッティングでこういう曲調だと、盛り上がったら一発ガーン!といってほしいわけですが。