「ARBOR」(SHAA−MUSIC 1013−1002)
MICHEL PILZ TRIO
ライブに行ったときに売ってたので、なにげなーく買ったのだが、これがもうあなた、大傑作。大々々々傑作なのだった。バスクラ一本で持ち替えなし、しかもベース〜ドラムのトリオというシンプルな編成からは考えられないぐらい力強く、変幻自在な演奏。古いタイプのフリージャズだと思うが、3者のコラボレーションや自信に満ちた木管の演奏テクニック、ほれぼれするような音色など、こういうセッティングによる演奏がいまでもみずみずしさを失っていないばかりか、無限の可能性を秘めていると気づかされる。ピルツはもちろんのこと、ベースもドラムもすばらしい。こういう演奏にこそ、3者対等のコラボレーションという言葉を使いたいですねえ。バスクラ好きは絶対聴くべし。何度も何度も聞き返しても飽きないであろうし、そのたびに新たな発見があるであろう、私のもっとも好きなタイプのフリー「ジャズ」の王道的傑作である。