polwechsel

「FIELD」(HAT HUT RECORDS HATOLOGY 672)
POLWECHSEL & JOHN TILBURY

 このグループはインプロヴィゼイションによる一種のオーケストレイションを目指しているのではないか、と思う。用意された部分もあるようだが、全体に偶然に頼ったハーモニーが重層的に展開し(ていると思われ)、その過程と到達点は荘厳で、感動的である。polwechselというのはどう発音するのかまったくわからないが、93年にウィーンで結成された即興集団らしい。当時と今ではメンバーもだいぶん変わっているようだが、ベースのヴェアナー・ダッフェルデッカーとチェロのミヒャエル・モーザーは結成当時から在籍していて、本作にも参加しているドラムのマーティン・ブランドルマイヤー、これまたドラムのブーカード・バインズも現在のメンバーである(はずだ)。ただし、本作の鍵ともなっている(と私は思う)ジョン・ブッチャーは現在は抜けている。このアルバムには、ピアノのジョン・ティルビュリーがゲストとして参加している。正直いって、リダクショニズム(英文ライナーに説明があるのだがよくわからん)というものが具体的にどういうものか私にはさっぱりわからんが、この音楽が圧倒的に心地よいものであることはわかる。