「ULTIMATE」(MARDI GRAS RECORDS MG#1085)
REBIRTH BRASS BAND
これはまた、どファンク系のニューオリンズブラス。かっちょいいーっ! こういう、チューバがファンキーなベースラインを熱く吹きまくり、聴き手もすっか普通のファンクバンドを聴いている気分になっている途中で、ブウォーッ! と金管楽器本来の咆哮をかまされた日にゃあ、たまったもんではない。行けーっ、やれーっ、もっと行けーっ、と叫んでしまうではないか。いかにもニューオリンズの若いギャングスターたち集まってが、ぶりぶりいわせている感じの演奏だが、その実異常なまでのテクニックと集中力、耐久力を必要とする音楽なのである。そして、このリズム! ニューオリンズ特有の、はねるビートがここでもひしひしと感じられ、踊り出したい気分に油を注ぐのである。
「THE MAIN EVENT:LIVE AT THE MAPLE LEAF」(LOUISIANA RED HOT RECORDS
LRHR1116)
REBIRTH BRASS BAND
本作は、プロレス(?)の興行を模したようなアルバム作りになっており、タイトルも「ザ・メイン・イベント」である。まず、リングアナウンサーによる「今日の試合」(?)の紹介があり、いきなり度肝を抜くようなファンキーな演奏が立て続けにはじまって、聴衆はひっくりかえる、という仕組みになっている。メイプル・リーフというニューオリンズのライヴハウスでのライヴということもあって、とにかくかっこよくて、ファンクで、ドライヴして、迫力があって、熱気も最高……という演奏になっているが、まあ、ちょっと荒い。その荒さがマイナスにならず、完全にプラスに働いているのも、ワーキングバンドならでは。6曲目の「メイン・イベント」という曲はようするに4曲のメドレーなのだが、これがめちゃ盛りあがる。ソリスト云々というのも野暮な話だが、トランペットもトロンボーンもソリストとして超一流だと思う。テナーサックスのひとは、さっきも書いたようにかなり荒っぽい演奏だが、異常なまでにファンキーでニューオリンズ的な撥ねるノリのリズムにあおられて、これがばっちりはまっている。怒濤の勢いに飲まれて溺れそうになるようなアコースティックファンクの洪水だ。