「FROM THE SKY」
CENE RESNIK
セン・レズニックと読むのかなあ。私は知らない人だったが、検索してみると、スロベニアのテナー奏者らしい。アーチー・シェップやジョー・ザビヌルに師事した、あるいは影響を受けた、ということでいいのかなあ。フリージャズとハードバップとスロベニア文化の融合とネットには書いてあったが、何歳であるかもわからん(写真を見る限りではめちゃ若い)。ネットもほとんどスロベニア語のものばかりなので、さっぱり読めん。仏教を勉強しているということがあちこちに書いてあるからそうなのでしょう。一日に何分か瞑想しているとかも。スロベニアでもっとも人気がある(らしい)ロックバンド「シッダールタ」のメンバーでもある。でも96年から加入しているらしいから、どう考えても今40前後だよなあ。どう見ても20代だが、英文バイオがおかしいのか? 本作はリュブリャナジャズフェスティバルのライヴだが、このときの様子はyoutubeに上がっているので見ることができる。演奏からは直接仏教的な匂いやロック的なものは感じられない。いまどき珍しいぐらい超ストレートアヘッドなフリージャズの精神を感じる。ストロングミュージック、パワーミュージックであり、ノーギミックである。音は太く、たくましく、固い。きついビブラートはだれもがアイラーを連想するだろう。たとえば、ルイ・ベロゲニスやトビアス・デリウスなどとも共通した味わいがある。もっというと、フランク・ロウとかフランク・ライトとか。しかし、さっきも書いたが、いまどき驚くような純粋なフリージャズで、すがすがしいぐらい。ドラムとベースも熱血な感じでがんばっている。とくにベースはウィリアム・パーカーのようにアルコを豪快に弾きまくる。特筆すべきはヴァイオリンのエマニュエル・パリーニで、このひとはなんとなく名前を聞いたことがある。まさに剛腕な弾きまくりで、リーダーのテナーとときにはバトルし、ときには盛り立て、ときには主役を張る。力強い音楽で好感が持てるが、どの曲もイケイケどんどんなので、もうちょっとバラエティが欲しいかも。今後期待大。