「秘宝感」(ROVING SPIRITS RKCJ−2047)
秘宝感
スガダイローがメンバーに名を連ねる「秘宝感」というグループがあるとは聞いていたが、そうかー、こういうバンドだったのだなあ。けばけばしくも安っぽいエロス全開の、まさにバンド名にいつわりないジャケットを見て、冗談音楽か、エロっぽいソウルかなにかか、と思って手に取らないひともいるだろうが、それは生涯の大損だと申し上げておきましょう。これはすごいアルバムだ(私も、聴くまでは、もうちょっとギャグっぽいか、エロっぽいのかと思っておりました)。全編にわたってドラムとピアノのからみがかっこよすぎる。このふたりのデュオだけでも、わしゃ十分だが、この「なにをやってもらおうと、私はわかってまっせ。どんなことでもどーぞやってください」的なベースはなんや! このひとはさーすがわかってらっしゃる、と思ったらJAPANESE BEATのひとか! そらそうでしょう。わかってるに決まってる。そしてそして……アルトの纐纈というひと(女性)はまったく知らなかったが、めちゃめちゃええやん! 私ごときがいうのもなんだが、いや、すごい才能だと思います(同じ纐纈という苗字の女性アルトのかたがほかにもいるらしくて、思わずリーダー作を購入しかけた)。ボーカルというか、ヴォイスパフォーマーというか、の女性もそのいかがわしさのなかにどう考えてもきらめく才能を感じてしまい、まぶしいかぎり。この五人が集まったということ自体が、自然でもあり奇跡でもある。リーダーでドラマーの斉藤良というひとはドラマーとしてはもちろん、リーダーとしての凄い手腕があると思う。あー、生で観てみたいよなー。でも、当分はこのCDをしつこくくり返して聴こう。もっぺんいうけど、これは名盤ですよ。