sten sandell

「STROKES」(CLEAN FEED CF082CD)
STEN SANDELL TRIO+JOHN BUTCHER

 こういう音は大好き。ジョン・ブッチャーは、ニルセンラヴとのデュオもめっちゃよかったが、はっきり言って、なにを聴いても一定のレベルをキープしており、適度にフリーキーで、適度に緻密で、適度に豪快で、適度にジャズっぽさもあり、適度にフリーインプロ的であり……という、ある意味、現代の即興演奏の縮図というか集大成的なところがある。そのうえ、八方美人とか、いいとこ取り的にならず、感銘を与えてくれ、満足させてくれる点では、当代随一かもしれない。そんなブッチャーと、おなじみのサンデルトリオとの共演で、ある種、こうなるという結果はわかっていたのかもしれない。やはり、こうなったなあ、というのが感想である。こう書くと予定調和のように思われるかもしれないが、もちろんちがいます。スリル満点の、すばらしい演奏である。聴いていて、ぞくぞくさせてくれるような即興が少ないなか、やはりブッチャーはヒット・エンド・ランだなあ(なんのこっちゃ)。