kiyohiko senba

「はにわ」(CBS/SONY 28AH 1557)
仙波清彦とはにわオールスターズ

 もちろん大好き。一番好きなのは、一曲目の「ちゃーのみ友達スレスレ」で、これで頭をガツンとやられた。「今夜漬け物浸けてくから遊びにいらしてアーイージ」というフレーズはきっと一生、私の脳内のどこかをリフレインしているだろう。二曲目の「日本一のピラルク男」というのも、なんだかよくわからないが、暗い、じとっとした歌詞といい、ねばっこい、重いボーカルといい、なにがおもろいのかわからんが、とにかくおもろい。これも、気がつくと口ずさんでいるタイプの曲で、いつのまにか私の身体に染みこんでしまっているのだ。「こぶしの怠り」や「うーん、こわいの」も好きだが、橋本一子と小川美潮が抜群のコンビネーションをみせる「目下の叫び」がめちゃめちゃ好き。これはあまりに露骨な笑わせかた(暗いパートと明るいパートを交互に出すというだけ)なのだが、美潮の最高の脳天気ぶりがばっちり決まって、笑わずにはおれない。歌詞も最高で、いやー、コミックソングのコンピレーションにどうしてこの曲が入っていないのか、不思議でしかたがない。しかし、なぜかB面はあまり聴いていないようだ。たぶん、毎日、A面を聴き終えるとまた最初から聴く……というように、裏をひっくり返さなかったのだろうな。今、聴き直しても、A面の曲はほとんど歌詞を暗記しているのに、B面は最後の「めだか」ぐらいしか覚えていないのだった。でも、このバンドは、大阪城ホールに徹夜明けでへろへろのときに聴きに行ったし(フルメンバーで、めちゃめちゃ豪華だった。坂田さんと中村誠一が並んでクラリネットを吹いていた)、思い出深い。日本の変態音楽史上燦然と輝くグループの傑作である。