「CONFIGURATION」(SILKHEART SHCD155)
SIRONE BANG ENSEMBLE
これはあの「隠れた名盤」というやつではないのか。そういう言葉はスウィングジャーナル的で嫌だが、このアルバムにはこの言葉がぴったりかもしれない。なにしろ、シローネとバングのアンサンブルだというのだから、弦楽器中心の演奏かと思うじゃないですか。ところが、実際はチャールズ・ゲイルをフィーチュアしたカルテットなのだ。ゲイルはアルトとテナーを使い分けていて、めちゃめちゃかっこええ! このメンツでの邂逅はけっこう珍しいのではないだろうか。ドラムもよくて、最高のカルテットだと思う。どこがどうと説明はしにくいが、ああ、もう聴いてもらえば一目、じゃなくて一聴瞭然。シローネの骨太でフリーなベースとドラマーが提示するブラックナスあふれるリズムに、ビリー・バングとゲイルのパワフルなブロウが絡みあうのが、理屈ではなく、生理的に気持ちいいのである。チャールズ・ゲイルのファンで本作をノーマークだったひとは、ぜったいいいから聞いてみて! なお、シローネとビリー・バングは対等のコ・リーダーだと思うが便宜上先に名前のでているシローネの項に入れた。