super seaweed sex scandal

「SEXY NOISE」
SUPER SEAWEED SEX SCANDAL

めちゃめちゃかっこいい! めちゃめちゃ気に入った。ちょっと聴くとえぐい感じだが、じつはすごく洗練されている音楽だ。曲もアレンジも超かっこいいし、ソロもいいが、とくに私としてはアルトとテナー両サックスの演奏がすばらしーっ。音色もフレーズもいいんだけど、それぞれの演奏に対する姿勢、音楽に対する姿勢が共感できる。演奏を聴いただけで、共感できるほど「わかる」のか? と言われると、「わかる」としか言いようがない。ときどき、そういうことがある。かつて高校生のときに生れてはじめてラジオで坂田明大先生の演奏を聴いた瞬間、「わかった」と思ったが、なんというか、瞬間的に同調することがあるのだ。このSSSSというバンドの演奏は、メンバーもアルトの吉田ののこ氏以外だれもしらんのだが、きっと若いひとたちなんだろうな。若くて才能ある連中が結集しないと、こういう熱気あふれるものにはならんでしょう。こういう、従来のフリージャズとかをベースにしているが、それにがっちり乗っかることをせず、ある程度ふっきれた感じで、ずばーーーーーーーーっ、とぶっ飛ばすような勢いというか、過去は過去だから尊重するけどいつまでもかまっちゃいられないから置いていくよ、みたいな思い切りの良さを感じるのです。たとえば、フリージャズなんだから、こうしてがっつりとアレンジしたり、曲調をポップにするのはちがうんじゃない? 即興というのは……みたいなことを我々は考えがちだが、そういうしがらみがなく、かっこいいものはかっこいい、おもろいものはおもろい、シリアスな音楽とエンタテインメント性は当然両立しますよ、みたいな感じが、ごくごく自然に全員の共通認識としてあるような気がする。わしゃ、うらやましいんじゃー、こういう価値観が。そのあたりが、ヴァンダーマークなんかの、フリージャズの伝統を研究しつくして、尊重しまくったうえで新しい音楽を構築していこうという真面目な姿勢とは、ちょっとベクトルがちがうように思う。どっちも好きなんですけど。とにかく「聴けばわかる」タイプの音楽なので、世界中のひとに聴いてほしいです。能書きは申しません。ええもんはええ。悪いもんもええ。