「CHICAGO TRIO,NEW YORK TENOR」(SOUL NOTE 121365−2)
JERRY STEINHILBER TRIO WITH GEORGE GARZONE
スタインヒルバーというピアニスト率いるトリオにガゾーンがゲストで加わった作品、ということになっているが、曲も8曲中4曲をガゾーンが提供しているし、ガゾーンのリーダーシップが感じられるアルバム。しかし、ガゾーンというひとは、ここで聴くとおり、あまりにうますぎて心に残らない。あまりにひっかかりのない指遣い、つるつるつるっとした個性のないアーティキュレイション、音色も中庸で、フレーズも平凡だし、全体にみごとに「普通」。聴いていて、なんとなくいらいらしてくるが、これが森山威男と組むとすごブローを見せたりするのだから(「山」とか)、ここまでうまいと、よほど共演者に凄いドラマーとかがいないと、お山の大将になってしまい、実力のぎりぎりのところまでださない(だせない)緊張感を欠く演奏になってしまうのだろう。