kazuhiko takeda

「LIVE AT JUST IN TIME」(BLUE LAB RECORDS BLR0801)
KAZUHIKO TAKEDA

 竹田一彦というひとは、関西に住んでいてジャズファンをやっていると、一度や二度はそのライヴに接しているはずだ。いや、聴いたことがない、というひとでも、よくよく記憶を掘り起こしてみたら、あ、あのときのライヴでギター弾いてたひとが竹田さんか、と思いあたるはずだ。それぐらい、関西ジャズシーンのドン的な存在である。本作は、当年七十三歳の竹田さんがギター〜ピアノ〜ベースのトリオで録音したライヴであり、普段の竹田一彦の良さがたっぷり味わえる。一曲が十分前後と長尺なのもうれしい。七十三歳という年齢から、渋いんだろう、とか、枯れきっているんだろう、とか思うのは先入観であって、非常に力強い、リズムもスウィング感も衰えをしらないパワフルな演奏である。ただ、押しつけがましさは一切なく、やはり円熟という言葉がぴったり当てはまる。ギターでビバップフレーズを歌わせたら文句なしの名人芸だと思う。