「AWARENESS」(P−VINE PCD−23923)
BUDDY TERRY
日本盤の売り方は、明らかにソウルジャズの本命登場、みたいな感じなのだが、メンバーを見ると、ストラタイースト系というか、スタンリー・カウエルをはじめ、けっこうえぐい人選であり、なんとなく「ブラックジャズみたいな括りの音かなあ」と思って聴いてみたら、まあ、その想像は外れてはいなかった。だが、ソウルフルで真っ黒い音ではあるのだが、なんとなく中途半端。「俺はこれでいきまっせ」的な感じもなく、あの時代の音としては、好事家が喜ぶという程度ではないか。やっぱり、ソウルジャズでもブラックジャズでも、徹底的なのが聴きたい。でも、面構えはなかなかで、ラーセンのラバーでぶりぶりの音を(テクニック的にはつたない感じだが、そこがまた味わいである)吹く真摯な感じは、ソウルジャズというよりストラタイーストだ。なるほどなあ。