「LIVE AT GLENN MILLER CAFE」(AYLER RECORDS AYLCD−013)
LARS−GORAN ULANDER TRIO
アイラーレコードで、グレンミラーカフェでのライヴで、ドラムがニルセンラヴ……となったら聴かずにはおれないが、正直いって、主役であるLars−Goran Ulander(まったく読めないのでそのままの表記にするが、これでもウムラウトがないので正しい表記ではないのだ)というアルトのひとのことはまったく皆目知らない。聴いてみると、すがすがしく、明朗で、力強い、はっきりと方向性のあるフリージャズで、好感が持てた。このアルトのひとはそれほど個性があるわけではないが、トリオのなかにはまりこんで、自分をむりやり出すよりも溶け込むほうに重点を置いた演奏だと思う。アルトの音がつねにフルトーンで、駆け引きというか微妙なダイナミクスがないので、一本調子に聞こえないこともないが、非常にストレートで真摯な演奏なので、そのあたりはさほど気にならない。ほぼ全曲、純粋な即興だが、一曲だけミンガス〜ドルフィーの「ファット・ラヴ」をやっているが、これもまあ、ほとんどフリーである。すごく古いタイプのフリージャズで、グレンミラーカフェでは今でもこういう演奏が行われているのだなあ、としみじみした。たぶんかなりキャリアのある、ビッグネームのひとで、私が知らないだけなのだろう。