univers zero

「HERESIE」(CUNEIFORM RECORDS RUNE313)
UNIVERS ZERO

 1枚目があまりに良かったので、二枚目の本作を購入。あいかわらずプログレには疎い、疎すぎる私だが、チェンバーロックというものがめちゃくちゃおもろいということはわかってきた。メタルとかで、地獄だの悪魔だのをモチーフにしたバンドは多いが、このバンドのように病んでる感覚とかカラッとしているようでその奥にはじっとりした深い闇が広がっているようなものはそっち方面にはあまりないのではないか。これこそ真の地獄であり、闇であり、異形であり、病気音楽ではないか。この異常なほどのかっこよさは、分析してみたら、変拍子とかドローンとかバロック的な響きと電子音楽の融合とかモチーフの作り方とかノイジーな合いの手とか……いろいろあるのだろうが、結局は作り手のセンスだろう。こういうものがめちゃくちゃかっこいいと思っているからこそこういう音が生まれるのだ。低音のリフ、オスティナート、変拍子……ということで、どうしても伊福部昭とか現代音楽を連想してしまうが、それはそれでまちがった連想ではないだろう。細かい印象を書き出すときりがないし、知識もないのでやめるが、じつはここんとこ毎日聴きまくっているのです。たぶん中学とか高校のときに聴いてたら、死ぬほどドハマリして、こっちのほうに行ったのではないか……そんなことを思うぐらい私のツボを突いてくる。あとはここでテナーサックスがギャオーッと暴れてくれれば、おそらく私にとっての音楽の理想形のひとつかもしれない。もちろんシンプルな即興も好きですが。あー、極楽極楽。