「T−BONE JUMPS AGAIN」(CHARLY CRB1019)
T−BONE WALKER
ブルース好きのひとはみんなTボーン、Tボーンというので、ひとつ聴いてみようか、と何気なく買ったのがこのアルバムで、今から考えれば、Tボーンに最初に触れるには最適の選択だったなあ、と思う。ノリのいい、ジャンプする曲。ゆとりのある、ビートに対して自由自在なリズムをぶつけるブルースシャウトはあくまでクリアな声で、自然であるが、圧倒的なブルースフィーリングを感じる。短いスペースでゴリゴリとブロウするテナー(ジャック・マクヴィなど)。そしてなにより、自身のギターのバッキングやカッティングが、バンドにも自分の歌にもエネルギーを与えて、どんどん盛り上がる。この、歌の後ろで自分でちょろっと弾くギターが、ものすごくインパクトがあってすばらしい。もちろんギターソロは最高で、太い、いなたい音で、テナーと同じぐらい、いや、それ以上にブロウし、歌いまくり、スウィングし、ジャンプするギターの存在感は凄い。バンドが古くさいというか、ルイ・ジョーダンっぽいというか、オールドスタイルのジャズバンド風なのが最初はダサく感じるが、すぐに気にならなくなる。聴きなおすたびに、やっぱりTボーンはええなあ、とうっとり聞きほれてしまう。「ミー・オールド・ワールド」の自分で歌って自分のギターでそれにからむところとか、ほんと天才ですよね。あまりに隙がなく完璧にできあがりすぎている音楽なので、背中にギターを回して弾きまくっている写真とかをよく見るけど、ほんとかなあ、と思う。そして「ストーミー・マンデイ」は何度聴いてもいいですねえ(オブリガードをしているテナーはバンプス・メイヤーズ、ミュートラッパはジョージ・オレンドルフとかいうひとだが知らんなあ)。