tatsuhisa yamamoto

「A THOUSAND MOUNTAINS」(DOUBT MUSIC DMF131)
TATSUHISA YAMAMOTO MUNEOMI SENJU

 これはめちゃめちゃよかった。もう、ビビるぐらいよかった。なにしろこちらは、ごく普通のドラムデュオだと思って聴いているわけだが、その思いをここまで裏切るか! というぐらいに裏切ってくれた。ふたつのパーカッション奏者の演奏のはずなのに、聞こえてくるのはオーケストラのようにカラフルで、壮大で、奥行きのあるサウンドなのだ。エレクトロニクスを使った部分や、ノイズのような部分もあるが、全体としてはやはりオーケストラとしか言いようがない。しかも、やはりこれはパーカッションによる演奏であり、しかも「デュオ」なのだ。つまり、いわゆるデュオという意味だ。最初から最後まで、「デュオ」なのだなあと聴き手にストレートに感じさせ、それでいてオーケストラのような演奏。シンプルなものもあり、複雑なものもあり、異常なテクニックを感じさせるものもあり、曲によってそれはそれはめまぐるしいほどに曲調やコンセプトが変化するが、最終的にひしひしと感じるのは、「パーカッション」の「デュオ」ということ。痛快! なお、対等のアルバムだと思うが、便宜上、先に名前の上がっている山本達久の項に入れた。