「AMEN」(ACUM JZ090109−06)
DANIEL ZAMIR
めちゃめちゃよかった。なにがよかったか、じつはよくわからない。単純なコード進行とそれに載せて延々と続くサーキュラーによるリフの反復。ユダヤ風というのか、エキゾチックなメロディーライン。意味はわからないが印象的なヘタウマなボーカル。そうかあ、世の中のひとはこういうすごいアルト吹きを聴いて楽しんでいたのだな。私はアルトはほとんど関心がないので、ときどきこうして「ぎゃーっ、損してた!」ということがある。それもまた人生だが、あー、もったいないもったいない。というわけで、聴いているあいだは呪術にかかったように魂が空に遊び、恍惚とした気持ちになるのだが、ふっと我にかえる瞬間があり、「あ、俺、なにしてたんだ。ヤバイヤバイ……」と現実世界に戻るのだ。こういうときが、音楽を聴いていていちばん楽しい「心地」というやつですね。いちばん困るのは、ジャケットやらライナーやらの「字」が読めないこと。なんやねんこれは。まあ、ええけど。